やりたい仕事なんて、わからなくて当然かも
就職活動中の学生さんは、自分のやりたい仕事が見つかりましたか?
また、これから就職活動を始める学生さんは、自分のやりたい仕事を見つけることに焦りを感じていませんか?
親や大人に就活の相談すると、「自分のやりたい仕事をやったらいいよ!」って言われますよね。
これって、本当はすごく難しいアドバイスをしていることになるのだと思います。
私も自分の子どもたちに、「自分のやりたいことを・・・」って言った記憶があります。
でも、それには訳があります・・・
私が学生の頃は、就職活動の職業選択では、正直なところあまり考えていませんでした。
卒業したら働くことが当たり前の時代で、なんのために働くのかなんて考えたことがありませんでした。
だから、有名な会社、給料がいい会社など、そんな上辺だけのことで仕事を選んでいたと思います。
今、考えると、自分の人生を真剣に考えていなかったんだなと感じます。
だからこそ、子どもたちには自分の人生を真剣に考えて欲しいと心から願っていました。
その想いが「自分のやりたい仕事をやったらいいよ!」という言葉になってしまうのです。
子どもの意志を尊重しているこの言葉は、一方で子どもを苦しめる言葉でもあると感じます。
恐らく、私の二人の息子たちは、「本当にこれでいいのかな」とかなりの不安を感じながら就活をしていたのだろうと思います。
職業選択は手伝えなかったのですが、自己分析を深掘りしたり、志望動機やガクチカなどを添削したりなど、一緒に考えることで少しは力になれたかな・・・とは思いたいですね💦
私が学生だった30年ほど前と比べると、今の世の中は沢山の情報を得ることが可能となっています。
やはり、インターネットをはじめとしたデジタル技術の進化による恩恵は大きいですよね。
しかし、情報量が多すぎて混乱してしまう弊害もあるのだと思います。
例えるならば、スイーツを買いに行って・・・
10個の中から1個選ぶのと
1000個の中から1個選ぶのとでは
悩み方のレベルが違いますよね。
選択肢が多すぎると、
あれもこれもと欲が出るかもしれないし、
全部おいしそうに見えて決められないかもしれないし、
「いったい、自分は何を食べたいのだろう?」ってわからなくなってしまうかもしれませんね。
選択肢が多すぎるのも迷いの原因になってしまいそうです。
それと、小中高は勉強や部活動に専念して、大学などに進学したら、あっという間に就活が始まります。
「自分はどんな仕事がしたいのだろう」なんて、考えている時間は無かったかもしれませんね。
だから、やりたい仕事なんて、わからなくて当然かなと思います。
やりたい仕事を、どうやって見つけるのか?
やりたい仕事がわからないなら、「じゃあ、何でもいいのか?」ということにはなりませんよね。
たくさん悩んでみてください。
悩み方の方法はたくさんあるはずです。
大学生を前提にお話しますね。
◆キャリアセンターを積極的に活用しましょう!
キャリアセンターは、先輩方の就活情報や企業の採用情報など、たくさんの情報を持っています。
もしかしたら、担当職員との相性の問題などがあるかもしれませんが、それはどこにでも起きる問題でもあります。
それもまた、社会に出るための勉強だと受け止めながら、キャリアセンターを上手に使っていきましょう!
キャリアセンターは、就活をする学生にとって一番身近にいる支援者です。
◆就活情報サイトの利用は、私が説明するまでもありませんね。
有名どころは、リクナビ、マイナビなど、多くの就活情報サイトがあります。
採用情報、インターンシップの情報など、たくさんの情報を提供してくれていますが、自分で情報を取捨選択して、自分で動く(応募する)ことが基本となります。
他には、スカウト型やエージェント型の就活サイトもあります。
社会人の転職サイトでも同じようなものがありますね。
エージェント型は、企業紹介からエントリーシート作成、面接日程調整まで、手厚い支援が期待できるものが多くあるようです。
ただし、学生が無料でエージェントを利用できる仕組みとして、エージェントが企業から成功報酬を得て成り立っていることは理解しておく必要はありそうです。
利用にあたり、メリット・デメリットを検討してみましょう。
◆オープン・カンパニーに参加してみましょう!
企業が主催する業界・企業説明会で、1年生から参加できるケースも多いようです。
学生さんが業界や企業について具体的に知り、理解を深める機会を提供することを目的で開催されていますので、積極的に参加して、業界・企業研究をしていきましょう。
◆インターンシップに参加してみましょう!
インターンシップは、一般的には大学3年生の7月頃から始まるケースが多いようですね。
インターンシップへの参加は、本命の企業はもちろんですが、業界や企業を知ることを目的として積極的に活用してみると良いかと思います。
本命の企業だったのに、予想と違ってちょっとがっかりした、
あるいは、軽い気持ちで参加した企業が、とても良い印象を受けて興味が沸いた、
ということもあるかもしれません。
応募方法は、就活情報サイト、企業に直接、キャリアセンターなど色々なパターンがあると思いますので、しっかりと情報をキャッチして、乗り遅れないようにしましょう。
◆企業説明会に参加してみましょう!
合同企業説明会は、自分の知らない企業がたくさん出展しています。
学生さんが知っている企業って、テレビやネットなどの広告で目にする企業ですよね?あるいは、自分が利用しているお店や企業ですよね?
それって、いわゆる B to C (Business to Consumer)といわれる企業形態の会社です。一般消費者を対象とした仕事をしている企業ですから、学生さんにもなじみがあるのも当然ですね。
もうひとつ、B to B(Business to Business)という企業形態の会社があります。企業を対象とした仕事をしている企業ですので、個人にはあまりなじみが無くて、「知らない会社」が多いです。しかし、日本の企業の約7~8割は B to B の企業らしいですよ。
B to B の企業は、その業界に関心を持たなければ知ることができないと思います。関心を持つきっかけを自分でつくれたらいいのですが、それには自己分析がとても重要になってきますね。
・自己分析をじっくりやってから企業を知るか
かなり時間がかかりそうですね!
・まずはたくさんの企業に出会ってみるか
知る場として利用するので、安易に就職先を決めないようにしましょう!
この二つを並行して進めることが理想的な流れだと思います。
頭や知識だけではわからないことってありますよね。
動いてみないとわからないことってありますよね。
つまり、
理解して→行動する
行動して→理解する
どちらにもメリット・デメリットがあるはずです。
就活のスケジュールを考えると、先に自己分析を進めておくことが必要になると思いますが、常に動きながら考えましょう!
◆OB・OG訪問を活用しよう!
自分の興味をもった業界や企業で働いている先輩(OG・OB)を訪ね、実際の仕事内容や企業文化などの雰囲気を知るために行う業界・企業研究のひとつです。
現場で働いている人に話を聴けることは、とても有意義な情報源となりますので、積極的に活用しましょう。
一般的には3年生の後半で活用するケースが多いようです。
就職がゴールではない!
前述では、一般的な就活の説明となってしまいました・・・
結局のところ、やりたい仕事を見つけるには、
①自己分析
②業界・企業研究
というところに収束してしまいます。
「なんだ、全然話が進んでないじゃん!」って思われましたか?
ここまで説明してきたことをまとめると、
「頭で考えているだけじゃなくて、積極的に行動してみることも大切」
ということなんです。
自己分析や業界・企業研究って、頭(机上)でやるものだと思っていませんか?
それは違うと思います。
体を使ってやる、行動することも大切なんだと思います。
頭→行動→頭→行動→頭・・・の繰り返しです。
あと、就職活動だけではなく、あなたのこれまでの人生のすべてを振り返ってみてください。
例えば、あなたがしているアルバイトは、もちろんお金を稼ぐことが目的だと思うのですが、そのアルバイトをしている中で、どんなことを感じていますか?
・お金を稼ぐ大変さ
・仕事は責任が伴うこと
・お客様対応の難しさ
・職場の人間関係の大変さ
・効率よく働く方法
・自分が得意な仕事(業務)は?
・自分が苦手な仕事(業務)は?
・仕事(業務)で得られる充実感は?
・仕事(業務)で頑張っていることは?
など
アルバイトをしながら、何かを感じているはずです。
ゼミやサークル活動など、日常の生活の中でも、同じように何かを感じているはずです。
それを考え深めることが「自己分析」なんだと思います。
自己分析とは「自分を知ること」ですね。
自分を知ることで、
「こんな仕事をやってみたいな・・・」って
見つかるかもしれませんよ!
そして、就職は「ゴール」ではありません。
就職から新しい人生が始まるのだと思います。
これから、自分の人生をつくっていくために、
「働く」ことと一緒に歩んでいくことになります。
社会人として働きながら、何年も、何十年もかかりながら、
ようやく、本当の「やりたい仕事」が見つかるのかもしれませんね。